認定介護福祉士は、2015年から認定が始まった介護福祉士の上位資格です。この資格は「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」が認定する民間資格であり、国家資格ではありません。2023年現在、資格取得者数は限られており、介護現場全体から見ると依然として希少な資格として位置づけられています。認定介護福祉士の存在は、介護の質の向上を目指す上で重要な役割を担っています。
この資格を取得するためには、介護福祉士の資格保有に加えて、5年以上の実務経験が必要です。さらに、認定機構が定めた600時間以上の養成教育プログラムを修了し、認定試験に合格する必要があります。カリキュラムには、認知症ケアや医療的ケア、リーダーシップ論など、より専門的な内容が含まれており、高度な知識と技術の習得が必要です。しかし近年、働きながら学べる環境も整備されてきています。
認定介護福祉士は、管理職に相当する役割を担うため、業務内容は多岐にわたります。現場での直接的なケアの質の向上はもちろん、チームマネジメント、多職種連携、人材育成など、組織全体の機能向上に関わる責任を担います。また、地域包括ケアシステムの中核を担う専門職として、地域の介護力向上にも貢献することが期待されています。
この資格は、純粋な介護実践だけでなく、マネジメントや教育にも意欲的な方に適しています。特に、介護現場でのリーダー経験がある方や、介護業界全体の発展に貢献したいという志を持つ方にとって、重要なキャリアパスとなります。給与面でも一般の介護福祉士より優遇される傾向にあり、介護業界の高度化が進む中、認定介護福祉士の需要は今後さらに高まることが予想されています。